「ヒルフェ」とはドイツ語で「助け合い」を意味します。
 成年後見制度を利用する方々にそっと寄り添い、優しくサポートしていきたいという気持ちが込められています。

 平成22年12月 一般社団法人成年後見支援センターヒルフェが設立されました。
 当社団は、行政書士による社会貢献の一環 として、成年後見制度の推進のために設立された団体です。
 成年後見制度の普及・促進や会員への指導管理監督などを行うことを目的としています。
 当社団は、皆様の期待に応えるべく、 専門職後見受任団体として後見人養成を行い、地域社会や関係団体と連携しながら普及活動を充実させていきます。

 介護保険制度と同じ時期(平成12年 4月1日)に施行された制度です。今までは、禁治産と準禁治産の2つの種類(類型)がありましたが、いくつかの問題点を見直した新しい制度です。成年後見制度とは、判断能力が不十分な高齢者、知的障がい害者、精神障がい者などの方々を本人の自己決定権を尊重しつつ、財産管理や契約を補助したり代理することにより安心して生活ができるように支援し、権利を守る制度です。

 成年後見制度には、 法定後見制度 (法律による後見制度)と 任意後見制度 (契約による後見制度 )があります。法定後見制度は、判断能力が現在すでに不十分な状態にある人が利用する制度です。判断能力の程度により「 後見 」「 保佐 」「 補助 」の3つの類型に分かれています。一方、任意後見制度は、現在は判断能力が十分な状態の人が利用する制度です。成年後見制度は、身体的能力の程度ではなく判断能力の程度がキーポイントとなります。

 高齢社会への対応及び知的障がい者、精神障がい者などの福祉の充実の観点から、成年後見制度は以下のことを基本理念としています。
 (1)自己決定の尊重
 (2)身上配慮義務
 (3)ノーマライゼーション
 ※ノーマライゼーションとは、障がいのある人も家庭や地域で通常の生活ができるような社会を作るという理念です。

 生活する上で判断能力が低下していると、悪質な業者と不利な契約を締結してしまう危険性、必要なサービスの契約や財産の管理ができなくなる、など権利を守ることができなくなってしまうことがあります。そのようなときには、成年後見制度を利用しましょう。
 
 成年後見制度を利用する例

 「実家で一人暮らしをしている母が認知症になり、病院の支払いや通帳の管理ができないみたい」
 「認知症の父と母の家に高額なふとんや浄水器がたくさんあり、給湯器も交換したばかりなのにまた新しいものに替わっている。でも本人たちは知らないと言っている」
 「妹は知的障がいがあり施設で生活している。何十年も自分が面倒をみてきたが、最近自分も年をとり、面倒を見ることができなくなった」
 「夫が交通事故で高次脳機能障害と診断されて寝たきりになってしまい、色々な手続きができない」

 →  法定後見制度 を利用

 「今は元気で自分のことは何でもできるけど、将来、頼る人がいなくて不安」
 「私の子供は精神障がいがあり、家で面倒をみてきたけど、私がいなくなったときが不安」

 →  任意後見制度 を利用

 法定後見制度は、現在すでに判断能力が不十分な状態な人について、本人や配偶者または四親等内の親族等の申立てにより、家庭裁判所が審判とともに適任と認める人を成年後見人等(成年後見人、保佐人、補助人)に選任する制度です。

 3つの類型( 後見 、 保佐 、 補助 )

 「後見」とひとまとめに言われている制度ですが、法定後見制度には3つの類型があります。「私の母は最近物忘れが激しくなったけど、後見ですか?保佐ですか?」と聞かれることがありますが、どの類型で申立てをするかは、最初に医師が作成する「診断書(成年後見用)」が目安となります。

 (診断書の一部抜粋)
 判断能力判定についての意見(下記のいずれかにチェックしてください。)

 ・ 自己の財産を管理・処分することができない。(後見相当)
 ・ 自己の財産を管理・処分するには、常に援助が必要である。 (保佐相当)
 ・ 自己の財産を管理・処分するには、援助が必要な場合がある。(補助相当)
 ・ 自己の財産を単独で管理・処分することができる。

 後見

 本人が一人では日常生活を送ることができなかったり、財産の管理ができないなど、判断能力が全くない状況の場合、家庭裁判所が後見開始の審判とともに成年後見人を選任します。審判が確定した本人を成年被後見人ともいいます。 成年後見人は、本人の財産管理を行うとともに、本人に代わって本人のために契約等を行う「代理権」、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き本人が行った不利益な法律行為を取り消すことができる「取消権」を行使することができます。

 保佐

 本人が一人で買い物など日常的な生活をすることはできても、不動産の売買や金銭の貸し借りなど、重要な財産行為を一人ではできない、判断能力が特に不十分な状況の場合に、家庭裁判所が保佐開始の審判とともに保佐人を選任します。審判が確定した本人を被保佐人ともいいます。
 保佐人は、本人の利益を保護するために、特定の行為 (民法第13条第1項記載の行為)について、本人が行おうとすることに同意したり(同意権)、本人がすでに行ってしまったことを取り消したり(取消権)することができます。
 また、本人の同意を得て、特定の法律行為(民法第 13条第1項記載の行為に限りません)についての代理権を保佐人に与えることもできます。

 民法第 13条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条但し書きに規定する行為については、この限りではない。

 一 元本を領収し、又は利用すること。
 二 借財又は保証をすること。
 三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
 四 訴訟行為をすること。
 五 贈与、和解又は仲裁合意をすること。
 六 相続の承認もしくは放棄又は遺産の分割をすること。
 七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
 八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
 九 第 602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

 民法第 602条 処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。

 一 樹木の植栽又は伐採を目的とする山林の賃貸借 10年
 二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 5年
 三 建物の賃貸借 3年
 四 動産の賃貸借 6か月

 補助

 本人の判断能力が不十分であり、重要な財産行為を一人で行うには不安があり、本人の利益のために誰かに代ってもらったほうがよい場合に、家庭裁判所が補助開始の審判とともに補助人を選任します。審判が確定した本人を被補助人ともいいます。

 補助人は、民法第 13条第1項に定める行為のうち、本人が必要とする一定の行為についてのみ同意権と取消権を与えられます。また、その範囲内で被補助人に代理権を与える申立てをすることもできます。

 補助の申立てにおいて注意すべき点は、申立てそのもの、同意権、取消権、代理権の内容について、すべて本人の同意が必要となることです。

 申立てができる人 (申立権者)

 (1)成年後見開始の審判
 本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官、任意後見受任者、任意後見人及び任意後見監督人(任意後見契約が登記されている場合)、市町村長(老人福祉法等の規定による)

 (2)保佐開始の審判
 本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人、検察官、任意後見受任者、任意後見人及び任意後見監督人(任意後見契約が登記されている場合)、市町村長(老人福祉法等の規定による)

 (3)補助開始の審判
 本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官、任意後見受任者、任意後見人及び任意後見監督人(任意後見契約が登記されている場合)、市町村長(老人福祉法等の規定による)

 後見人等になれる人

 申立ての際に親族などの候補者をあげることができますが、家庭裁判所が適任と認めた人を後見人等に選任するため、候補者ではない人が後見人等になることがあります。親族間でトラブルがある場合や不動産が多くある場合など、ケースによっては親族よりも専門家がふさわしい場合もあり、選任された専門家が本人の財産管理などをすることになります。複数や法人の後見人等も可能です。
 また、裁判所が必要と判断した場合は、後見監督人が選任されることがあります。
 なお、選任された人について不服の申し立てはできません。
 また、次に該当する人は後見人等にはなれません。

 (欠格事由)
 未成年者、成年後見人等を解任された人、破産者で復権していない人、本人に対して訴訟をしたことがある人・その配偶者又は親子、行方不明である人

 後見人の仕事

 後見人等は、本人の意思を尊重し、かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、必要な代理行為を行うとともに、本人の財産を適正に管理することが求められます。東京家庭裁判所では、成年後見人に選任された方々に説明会を行い、「成年後見人 保佐人 補助人 Q&A」という冊子を配布しています。

 選任された後見人等は、初回報告書として本人の資産状況を把握して「財産目録」を作成し、生活の予定や収支の計画として「年間収支予定表」を作成して家庭裁判所に提出します。

 日常的な仕事

 「財産管理」…本人の預貯金の管理、家賃の支払い、年金の受取りなど財産に関する法律行為を行います。
「身上監護」…必要な介護保険サービス契約や入院契約など生活や療養看護に関する法律行為を行います。
定期的に「財産目録」や「収支報告書」などを提出して家庭裁判所に報告します。

 また、本人がした不利益な法律行為を後から取り消すことができます。(ただし、日用品の購入など日常生活に関する行為については、取り消しの対象になりません。)

 本人の居住用の不動産を売却しなくてはならない場合は、裁判所から許可をもらって売却できます。本人と成年後見人が相続人となる場合は、特別代理人を選任してもらって、遺産分割協議を行います。

 成年後見人は、本人の意思を尊重し、かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、必要な代理行為を行うとともに、本人の財産を適正に管理することが求められます。

 成年後見人の報酬

 後見人等や後見監督人に対する報酬は、家庭裁判所が公正な立場から金額を決定した上で、本人の財産の中から支払われます。具体的には、後見人等が働いた期間、本人の財産の額や内容、後見人等が行った事務の内容などを考慮します。
手続きの流れ

申立ての準備 ・必要書類を集める → 申立書類の作成
・後見制度を理解する
・申立日を予約する(東京家庭裁判所の場合)
申立て当日 ・申立書類の審理
・即日面接 (本人、申立人、候補者)
審理 ・調査官の調査 (必要な場合)
・親族への照会(必要な場合)
・鑑定など(必要な場合)
審判 ・後見を開始するか、後見人を誰にするかを裁判官が判断
審判確定(後見開始) ・審判から約2週間後
後見登記 ・裁判所が審判確定後に東京法務局に行う手続き
財産目録、年間収支予定表の提出
後見等監督 ・家庭裁判所や後見監督人から監督を受ける

※本人が家庭裁判所に行かれない場合、家庭裁判所が必要と判断したときには後日調査官による面接が本人のいる場所 (自宅、病院等)で行われる場合があります。

 申立てに必要な書類

 書類は本人の住所地の家庭裁判所に提出します。東京家庭裁判所では下記の書類が申立てに必要となります。裁判所によって提出書類が異なる場合がありますので、管轄の家庭裁判所のサイト等で確認してください。

 (東京家庭裁判所に提出する書類)
 親族関係図、申立書、本人の診断書及び付票(知的障がい者の場合は愛の手帳のコピー)

 本人の戸籍謄本、本人の住民票、本人の登記されていないことの証明書、後見人等候補者の戸籍謄本、後見人等候補者の住民票、申立事情説明書、同意書、後見人等候補者事情説明書、本人の財産目録及び収支状況報告書に関する資料など

 申立て費用

 申立ての際に指定された収入印紙と郵便切手を提出します。東京家庭裁判所では下記の収入印紙と郵便切手が必要となります。裁判所によって必要な郵便切手が異なる場合がありますので、管轄の家庭裁判所のサイト等で確認してください。

 (東京家庭裁判所で必要となる申立て費用)
 収入印紙(申立費用分として400円×2枚、登記費用として1,000円×2枚、300円×2枚。保佐・補助の場合、代理権付与等を申し立てる場合等には、その事件ごとに収入印紙800円分が必要となります。)
 後見の場合:郵便切手(500円×4枚、80円×10枚、20円×4枚、10円×10枚)
 補助の場合:郵便切手(500円×4枚、100円×5枚、80円×20枚、10円×20枚)

 家庭裁判所で鑑定が必要と判断された場合は、診断書の付票に記載された鑑定費用(記載がある場合や診断書を作成した医師が鑑定も行う場合)を用意しておく必要があります。

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